我が国の存立と繁栄は、国際環境に大きく依存しており、政治においても内政外交を区別することは困難であり、また、経済・産業の運営においても、海外諸国の財政、産業政策、安全保障等、あらゆる分野にわたる政策の動向、あるいは、多国籍企業・各国の業界・労働組合等、主要な経済主体の動きなどに大きな影響を受けつつある現状であり、また、この傾向は今後ますます強まるものと考えられます。
ここにおいて、これら海外諸国の財政金融、通商産業、外交政策や経済主体の動きなどの背景を的確にとらえ、政策形成に関連する各国指導層との直接的な接触を促進維持し、また、これを通じて一次情報の収集・分析を常に行なうことが必要であります。
ところで、既存の行政機構は、それぞれ所管の範囲内の問題の処理に追われており、また、各種の調査機関も上記の視点・機能に乏しいのが現状と思われます。この間隙を埋め、直接的な人的接触に重点を置いて、海外の諸国の財政金融、通商産業、外交及び経済主体等の動きについて調査・分析し、その結果を提供して、我が国の経済・産業の進路を考えるための基盤造成を目的とする民間の調査研究機関の設立が、強く要請されるところであります。
以上の趣旨にもとづき、ここに社団法人「国際経済政策調査会」を設立いたしました。
|